金沢の人気氷室饅頭を食べ比べ!色の意味や「氷室の日」の歴史も解説

TOP氷室饅頭_柴舟小出・森八・村上

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目次

「氷室饅頭」とは?いつ食べるの?

柴舟小出_氷室饅頭3種類の皿盛り
柴舟小出「氷室万頭」

氷室饅頭(ひむろまんじゅう)とは、金沢で毎年7月1日に食べられている伝統和菓子です。

白・紅(あか)・緑(あお)の三色のおまんじゅうで、中にはあんこが詰められています。ふっくらとした皮や、包まれているあんこにはお店ごとのこだわりもあり、金沢の夏の風物詩として親しまれる人気和菓子です。

加賀藩から江戸まで氷が届けられた「氷室の日」

柴舟小出_本社横川店の氷室饅頭

氷室饅頭のはじまりは、江戸時代にまで遡ります。当時加賀藩は天然の氷雪を氷室(ひむろ)と呼ばれる小屋で保管し、毎年旧暦の6月1日(現在の7月1日頃)に江戸幕府に献上していました。当時は旧暦の6月1日を氷室の節句(ひむろのせっく)と呼び、氷室の氷を口にすることで夏痩せせずに元気に過ごせると、幕府や宮中の年中行事となっていました。

江戸幕府に献上するまでには大変な距離があったので、無事に氷が届くようにとお供えされていたのが氷室饅頭です。加賀藩の五代目藩主、前田綱紀公が加賀藩を治めていた頃、金沢で和菓子屋を営んでいた道願屋彦兵衛によって作られたのがはじまりとされています。

「氷室饅頭」の色には意味があるの?

氷室饅頭は白・紅(あか)・緑(あお)の3色があります。優しい色合いのパステルカラーで、お店ごとにほんのりと色の違いがあるのも特徴です。また氷室饅頭の色は見た目だけでなく、色ごとに意味も込められています。ひな祭りに食べられる「菱餅」や「お花見団子」とも同じ色合いで、縁起のいい色合いが使われています。

白の持つ意味とは
森八_氷室饅頭
森八「氷室饅頭」

白には「清浄」の意味が込められているとされています。「太陽」を表しているという見解が主流で、「雪・残雪」を表しているという意見もありました。清廉潔白な印象の白は、太陽に照らされて浄化されていく様を連想させますよね。また氷室の日だからこそ、日に照らされた残雪の鮮やかな白もぴったりなイメージです。

明治に入るまでは白のおまんじゅうのみが販売されており、これから紹介する紅(あか)と緑(あお)は比較的最近から親しまれるようになりました。

紅(あか)の持つ意味とは
柴舟小出_氷室饅頭(赤)
柴舟小出「氷室万頭」

紅は”あか”と読み、「魔除け」の意味が込められているとされています。「花」を表しているとされ、桃の花という見解もあります。そもそも紅(あか)は古来より太陽や炎、血液の色として崇められ、魔除けの意味がある色です。神社の鳥居も魔除けの意味から赤い鳥居となっています。

どちらかと言うと桃色に近い氷室饅頭ですが、菱餅の桃色も同様に「魔除け」の意味を持つ和菓子です。モモ自体が日本では古来より魔除けの力を持つとされているので、氷室饅頭も同じ意味合いがルーツなのでしょう。

緑(あお)の持つ意味とは
和菓子村上_氷室饅頭
和菓子 村上「氷室饅頭」

緑は”あお”と読み、「健康・長寿」の意味が込められているとされています。「新緑」を表しているとされ、鮮やかな緑色が目を惹く色合いです。新緑は生命の息吹を感じさせるので、健康や長寿といった意味合いにぴったりですよね。多くのお店の緑色を並べてみると、少し青みがかったものや黄緑に近い色など様々な緑があるのも魅力的でした。

また6月下旬から7月上旬の金沢は、金沢城公園や兼六園など自然も美しい季節なので、おまんじゅうの緑と一緒に景色の緑も、ぜひ味わってみましょう♪

「氷室饅頭」の選び方のポイント

氷室饅頭は金沢にある多くの和菓子店が製造・販売しており、お店のこだわりが詰まったまんじゅう皮とあんこの組み合わせが魅力です。ここでは氷室饅頭を知らないという人でも、これだけは押さえておきたい3つの選び方のポイントを解説していきます。

伝統的な麦まんじゅう or 主流の酒まんじゅうで選ぶ

氷室饅頭には麦まんじゅう酒まんじゅうの2種類のまんじゅうが存在します。

子どもお酒の風味が少し苦手という方シンプルなおまんじゅうが好きという方などは麦まんじゅうがおすすめです。一方で、酒まんじゅうが好きという方色々なブランドの味を種類豊富に楽しみたいという方酒まんじゅうがおすすめです。

麦まんじゅうの魅力とは

古くから伝わる氷室饅頭は麦まんじゅうがお供えされており、伝統と歴史のあるおまんじゅうと言えるのが、麦まんじゅうです。お酒が入っていない分、小さな子どもでも食べやすいのがポイントで、ふんわりと蒸されたまんじゅうと優しいあんこの甘さは王道の味わいを楽しめます。

酒まんじゅうの魅力とは

現在氷室饅頭を取り扱うほとんどのお店で提供されているのが酒まんじゅうです。お酒の豊かな風味や優しい甘さがまんじゅうやあんこの甘さを引き立てており、お店ごとにこだわり抜かれた妙技も感じられます。

中に入っているあんこで選ぶ

氷室饅頭のもう一つの魅力が中に入っているあんこです。

白・紅(あか)・緑(あお)の三色がある氷室饅頭ですが、三色全て同じあんこのお店がある一方で、三色の色ごとに異なるあんこを詰めているお店もあります。

中に入っているあんこについて
柴舟小出黒こしあん黒こしあん黒こしあん
森八黒こしあん黒こしあん黒こしあん
和菓子 村上黒こしあん味噌あん黒粒あん

他にも白あんやかぼちゃあんなどが入っている氷室饅頭もあるので、ぜひお気に入りの氷室饅頭を見つけてみましょう。

販売期間で選ぶ

氷室饅頭を食べるのは氷室の日と呼ばれる7月1日です。この時期に旅行に行くなら、せっかくだから食べたいという人も多いのではないでしょうか。

注意したいのが、販売期間です。各ブランドごとに販売スケジュールが異なっており、旅のスケジュールによってはお目当てのブランドが販売されていないということもあります。

氷室饅頭の販売期間について
6月24日前数店舗の和菓子店で徐々に取り扱いがスタート
6月25日~29日1日ごとに数店舗ずつ氷室饅頭の取り扱い店が急激に増加
6月30日~7月1日全ての和菓子店で氷室饅頭を販売!
7月2日以降1,2店舗だけのみ氷室饅頭を取り扱っている場合もあり

年によって、スケジュールは前後しますが、6月24日以前と7月2日以降は氷室饅頭を取り扱うお店が少ない傾向があります。また注意したいのが、6月25日~29日で旅行を検討している場合です。日によってはお目当てのブランドが一日違いで購入できないこともあるので注意しましょう。おすすめは全てのブランドが揃う6月30日と7月1日です。ぜひこの時期に足を運んで、美味しい氷室饅頭を食べ比べてみましょう♪

厳選!人気和菓子店のおすすめ「氷室饅頭」を実食レポート

柴舟小出_本社横川店のショーケースに飾られた氷室饅頭
2023年6月撮影

ここからは金沢で愛される和菓子屋さんの、こだわり氷室饅頭を実食レポートしていきます。

金沢を代表する有名和菓子店の味わいを食べ比べながらご紹介します。お酒の風味・まんじゅうの生地感・あんこの水分量に着目したので、ぜひお気に入りの一品を選ぶ参考にしてみてください!

石川県金沢市でしか味わえない!地元で愛され続ける老舗和菓子店【柴舟小出】

【柴舟小出】氷室饅頭の特徴

・麦まんじゅう

・三色ともに黒こしあん入り

お酒の風味
弱い
強い
まんじゅう皮の生地感
ふわふわ
もっちり
あんこの水分量
みずみずしい
しっとり

昔ながらの麦まんじゅうが魅力の柴舟小出。頬張ってみると、まんじゅう皮はモフッとした口当たりの中にもっちり食感も感じられます。中のこしあんは水分もほんのり感じられるなめらかな口当たりで、上品な甘さが口の中に広がりました。生地が薄く、あんこがたっぷりと入っているので、あんこの水分でふっくらとみずみずしさも感じる口当たりが魅力です。

あんこが好きな方におすすめしたい逸品で、実店舗は金沢市内のみです!また麦まんじゅうなので、日持ちも通常の氷室饅頭に比べて長めの4日間とお土産にも最適です♪

<商品情報>

【商品名】氷室万頭(ひむろまんじゅう)

【価格】1個:173円(税込)

【消費期限】製造日より4日間

【販売期間】2024年6月25日〜2024年7月1日

店舗情報

柴舟小出<本社 横川店>の情報はこちら

<店舗情報>

【住所】石川県金沢市横川7丁目2-4

【営業時間】平日 9:00~18:45 / 日曜・祝日のみ 9:00~18:00

【定休日】1月1日、2日

【電話番号】076-241-3548

公式ホームページはこちら

加賀藩御用達!歴史を重ねた味わいにこだわる老舗和菓子店【森八】

【森八】氷室饅頭の特徴

・酒まんじゅう

・三色ともに黒こしあん入り

お酒の風味
弱い
強い
まんじゅう皮の生地感
ふわふわ
もっちり
あんこの水分量
みずみずしい
しっとり

お酒と山芋の風味が重なる酒まんじゅう森八。まんじゅう皮は頬張ってみると、口当たりがふわっ、食感がもちっとしたもちふわ系の食感でした。原材料に長芋が使用されているので、お酒の上品な風味薯蕷まんじゅう特有のコクがやんわりと広がります。中にはしっとりとしたコクを感じる舌触りのこしあんが入っていました。生地が薄く、たっぷりとこしあんが入っており、皮の風味との絶妙なバランスが魅力です。食べ終わった後も、ほんのりと酒感が余韻として残る風味豊かな氷室饅頭を楽しめました。

薯蕷まんじゅうの味わいもあるので、酒まんじゅうが苦手という方にもおすすめです。シンプルな酒まんじゅうとは一味違うので、食べ比べにもぴったりですよ。

<商品情報>

【商品名】氷室饅頭(ひむろまんじゅう)

【価格】1個:195円(税込)

【消費期限】2日間

【販売期間】2024年6月25日〜2024年7月1日

店舗情報

森八<本店>の情報はこちら

<店舗情報>

【住所】石川県金沢市大手町10-15

【営業時間】9:00~18:00(茶寮・美術館は17:00まで)

【定休日】1月1日、2日

【電話番号】076-262-6251

公式ホームページはこちら

フルーツ大福やカフェも人気!若者からも支持される人気和菓子店【和菓子 村上】

【和菓子 村上】氷室饅頭の特徴

・酒まんじゅう

・白:黒こしあん

 紅(あか):味噌あん

 緑(あお):黒粒あん

お酒の風味
弱い
強い
まんじゅう皮の生地感
ふわふわ
もっちり
あんこの水分量
みずみずしい
しっとり

白は王道の黒こしあん入りです。ふわふわむっちりとした皮はもちもちの弾力が魅力で、酒の風味がふんわり香ります。中のこしあんはややしっとり寄りで、甘さ控えめのコクが引き立つ味わいでした。まんじゅうの皮とこしあんの水分量が近い、ムチッとした口当たりがマッチします。お酒の引きも良く、スッと引いた後味も上品な味わいでした。

<商品情報>

【商品名】氷室饅頭(ひむろまんじゅう)

【価格】1個:178円(税込)

【消費期限】2日間

【販売期間】2024年6月28日~2024年7月1日

店舗情報

和菓子 村上<本社店 >情報はこちら

<店舗情報>

【住所】石川県金沢市泉本町1-4

【営業時間】8:45~17:30

【定休日】1月1日

【電話番号】:076-242-1411

公式ホームページはこちら

「氷室饅頭」は通販でお取り寄せできるの?

森八_本店のショーケースに飾られた箱詰め氷室饅頭
2023年6月撮影

氷室饅頭は通販でお取り寄せができます。ただし、お店ごとに方針が異なるので、各公式オンラインショップを確認しましょう。例年6月上旬から店頭や電話、オンラインなど、いずれかでの配送予約を実施しているお店がほとんどです。氷室饅頭の時期に金沢まで足を運べないという人でも手軽に自宅で氷室饅頭を楽しめるので、ぜひ早めに予約注文しましょう。

「氷室饅頭」の口コミや評判は?

和菓子村上_氷室饅頭3種の皿盛り

氷室饅頭は金沢市内の和菓子屋さんがお店ごとにこだわりの味を販売しています。特に地元金沢市内では、昔から食べ慣れたお店に注文する方やお気に入りの味を色々なお店から1種類ずつ選ぶ方も見受けられました。

また有名百貨店も氷室饅頭に注目しており、種類豊富な氷室饅頭を食べ比べできるように期間限定で取り扱っているほど好評です。和菓子好きの方からも支持されている氷室饅頭は、これからもさらに注目度がアップしていく人気和菓子です!

金沢の夏の風物詩「氷室饅頭」を味わってみよう♪

氷室饅頭断面_柴舟小出・森八・村上

今回は氷室饅頭の人気和菓子店3店舗を食べ比べしてみました。昔ながらの麦まんじゅうと絶品あんこが魅力の柴舟小出や、お酒と長芋を掛け合わせた食べやすさが魅力の森八3色の異なるあんこと弾力のあるもちっと生地が人気の和菓子 村上、それぞれの魅力や違いがありました。

毎年7月1日に味わえる氷室饅頭を、ぜひ金沢やお取り寄せで楽しんでみましょう♪

TOP氷室饅頭_柴舟小出・森八・村上

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